ライターの増田有香です。
プロフィールやweb、広告原稿などを20年書いております。
さて今日は「間違えやすい日本語」について。
私の大好きな刑事ドラマやサスペンスで使われている例とともに、ご紹介します。
1.国民の7割が間違えている!
「さてはあの男、確信犯だな!」
表題にもあるように、日本人の7割が間違えて使っている「確信犯」
文化庁が公開している「国語に関する世論調査」(2015年)によると、
誤用している人はなんと8割!
こんな風に使いますよね。
「あのホスト、自分に惚れている女が、
犯罪に加担して金を貢いでいるのを知っていて…
さては確信犯だな!」
はい、こちら誤用です!
確信犯の正しい意味は、
政治的・思想的または宗教的信念に発して、
それが、例え罪になるにせよ、正しい事だと確信して行う犯罪。
つまり本人は「正しい」と思っているわけで、例文を作るなら、
「病の苦しみや辛さから解放してあげたいと、医師はある薬剤を投与した。
法律では裁かれることであるが、医師は確信犯である」
こんな感じでしょうか。
あまり上手く作ることができませんね(苦笑)
大きな声では言えませんが、私…間違っておりました…。
2.「情けは人のためならず」
そう!心を鬼にて極刑を!!
次は人情系のドラマでよく聞く台詞かもしれません。
まあテレビでは誤用はしていないと思いますが…
例文を作るとすれば、
「情けは人のためならず。
今後甘えないように、厳しい裁きを!」
みたいな感じでしょうか。
でもこれも間違い!!
これはご存知の方もあるかもしれませんが、正しくは、
「人に親切にすれば、相手のためになるだけでなく、
やがてはいい行いをした自分にも、いい報いが戻ってくる」
という意味。
恐らく「相手のためになるだけでなく」という部分の、
「相手のため」という部分がいつからか強調されるようになり、
こんな間違いになってしまったのかな? と思いました。
そんな私も、子どもの時は間違えていて、
吉本新喜劇で、桑原和子おばあちゃんが締めとして使っているのを見て、
「あ、そういう意味だったのか!」と知りました(笑)。
3.「密室の恋」ではないのよ「未必の故意」
これは小さい頃、母と刑事ドラマを見ていて勘違いしたもの。
高校生くらいの時に「これは密室の恋と言っていたのか」
とさらに勘違い。
誤用というより「そもそもどういう意味だ?」ってなりますよね。
ピンとこないのは、恐らくこれが法律用語だからですね。
一事不再理とか、そういう専門的な言葉。
こちらの正しい意味は、
「犯罪の実現、結果の発生を意図した場合、
およびそれが確実だと思っていた場合は故意であり、
全く考えていなかった場合は過失になることに問題はない」
うーん…法律用語だけに、よくわからん!!
通常こういう時って「未必」と「故意」と分けて考えるとわかりやすいのですが、
「故意=わざと」はわかっていても「未必」が把握しづらい。
ということで例文で「未必の故意」を表現すると、
「普段からあまりよく思っていない知人と一緒にいた時、
通り魔が現れて、知人を傷つけた。
知人は大量に出血。素人目にも大変だとわかる程。
しかし、このまま放っておけば出血多量で死ぬことが明らかだけど、
何もせずに立ち去った」
というような状況。
「殺意はないし、実際手を下していない」けれど、
このまま何も処置をしなければ死ぬことがわかっているのに、
止血をしたり、助けを呼ぶという行為を怠った。
それが「未必の故意」です。
このあたりは文章で説明するのは難しく、
もしかすると法律用語の説明としては、少し違うかもしれませんが、
理解しきると、意外と日常生活でも使えますよ(わが家は使っています…)
「誤用」はかなり多く、
「敷居が高い」や「役不足」も、間違って使っている人は多いです。
またいずれこちらでもお伝えしていこうと思います。
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