あけましておめでとうございます。
綴屋、ライターの増田有香です。
本年もよろしくお願いいたします。
今年も元旦の「ニューイヤー駅伝」からはじまり、次の日から箱根駅伝に移動し、
恒例行事の三が日を無事に過ごしました。
世の中がいろいろ大変な中…「私ってのんきなのかな」と、もちろん気にしてはいます。
でも…自分が今何かできるわけではない。
確かな団体に募金をするか、確かなルートを持っている団体が、物資を整えられる援助をするか
結局、やっぱりお金が必要だと思うのでね。
そして、復興したら旅行にいってどんどんお金を使う!
それしかないと思い、東北に行った時には湯水のようにお金を使っています(笑)
さて、私ができることは言葉の力の素晴らしさを伝えること。
今年もすでにインタビューのお仕事が何本も入り、有難いお正月を迎えていますが、
今回は箱根駅伝に見る「言葉の力」を、
あくまでも「ファン目線」で伝えてまいります。
その1、寝た子も起きる「男だろ!」の檄(駒大/大八木総監督)
まずは私の大好きな大八木監督。
昨年まで駒大の監督だったのですが、優勝をおさめたところでご勇退。
チームのコーチを務めていた藤田コーチが、今回から監督です。
駅伝では、ランナーの後ろに管理車がつきます。乗れるのは監督と主務の生徒かな?
声かけポイントは何カ所かあり、そこで励ましの言葉をかけます。
そして大八木監督といえば「男だろ!」。
※思わず赤字の太字…
毎回いろいろな言葉をかけた最後に「お前はできる! 男だろ!」と檄を飛ばす。
すると、あーら不思議。
力水を得たように選手の顔が引き締まり、なんか生まれ変わったようになれるのです。
今ではこの言葉を「男女差別」とか「時代錯誤」と言う人もいます。
でも…私は男になったことがないからわからないのですが、
女の人が「女でしょ!」と言われると、なんか恥ずかしいのに対し、
男性が「男だろ!」って男の人に言われると、俄然ファイトが湧くというか…
たぶんDNAにふかーく刻み込まれているのでしょう。
「そうだ、俺は男だ! やれるんだ!」
って思うのではないでしょうか。
男の人に訊いてみたいのですが、うちの夫は「体育会のパワハラ」といって聞いてさえくれない(苦笑)
ま、そういう人はほうっておいて、
実際、今までにピシーーーーっとなった選手の姿をたくさん見ているので、
一年365日一緒にいる監督から、かけられる檄に励まされるのでは?と思ってます。
そんな風物詩も今年はなくて、なんだか私も気合いが入らなかったな~。
本当に寂しかった。
このように、選手でも全くなく、走るの大嫌いでしかも性別違いの私が、
こんなふうに思うのですから、やっぱり力があると思うんですね。
また、「声がけ」だけに、この文字では表現できない「感情」というのもあります。
個人的な感想になってしまうのですが、現監督の藤田監督は、
少しクールというか、なんだか抑揚がないように感じてしまいました。
だからやる気が起きない、というのは甘えだと思うのですが、
こういう時は、感情が乗っている言葉の方が、力になるのかなと思いました。
その2,元トップ営業マンが「そうそうそうそう」と全肯定(青学/原監督)
今や常勝校となっている青学も、ずっと予選会にいる学校で、
初めて10位以内になったのは、なんと2010年。
いやあ~そんなに経つのか~!
あの時、優勝もしていないのにアンカーの選手が、学連(運営などを仕切る学生連合のこと)が、
身体を気遣ってかけるタオルをガン無視して、笑顔で仲間のもとへ走り抜けた姿。
今でも思い浮かべると、うるうる来るほど、私にとっての名シーンのひとつです。
箱根は優勝を目指していた学校が2位になっても、みんなお葬式みたいになっちゃうものなのに、
こんなに喜ぶなんて、なんて素敵なの!
って思ったものです。
そして原監督の「褒めて伸ばす」というやり方が、注目されたのもこの頃。
私もコーチングを学んで、嫌というほど知っていたため、
スポーツの世界こそ、特性を見極めて褒めて伸ばすのが大切なのでは?
と考えた出来事でもありました。
まあ、最近の原監督は、本人はもちろん、奥さんもメディアにニコニコ出て芸能人とからんでいたり、
もうタレント気取りという声もよーく聞きます。
噂ではありますが、バラエティに生徒を出すのは「カメラ慣れ」させるためという話も。
いくら練習を重ねていても、箱根駅伝は全国放送。
カメラに凝視されることで、緊張して力が出せないことを防ぐためとか。
まあ、青学の選手にはやらかしもちょこちょこあるので、私はあまり個人的に好きではなく、
陸上人生ではなく、他の大会でもなく「箱根駅伝」に照準を合わせているとこや、
学生たちも「箱根だけ走れたらカッコイイか」と思うのか、
青学ブランドを駆使して、陸上はきっぱり辞めて上場企業に就職する選手も多数。
ここまで読んでいただいてわかるように、私はあまり青学を応援していません。
その正体は嫉妬であります!!!爆
閑話休題。
その原監督の声かけですが、
「そうそうそうそう」というのが印象的です。
この言葉、すごくいいと思います。
例えば自分が子どもの頃のお母さん、または習い事の先生とかに
「そうそうそうそう」って声かけてもらったら、なんだか全肯定された気持ちになる。
最近着物教室にいっているのですが、先生に「そうそう!それです!」
って言われると、こんな大人でもすごく嬉しいもんね。
あと、原監督は、その選手の特性をすごく見ていて、ドラマチックにストーリーを組み立てた声がけをします。
「4年間お前はガマンしたんだ! 出られない○○の分も頑張るぞ!」
「自分の力と努力で勝ち取ったメンバー入りだろ、できるぞ!」
正確ではないけれど、こんな感じ。
その選手「しか」わからない苦労や思いを改めて思い出させるような声がけ、
すごくドラマチックにこちらにもうつるし、選手も親御さんも悪い気はしないと思います。
最近はアナウンサーが「○○選手のおじいさんは、楽しみにしていた勇姿を見ることなく、秋に旅立ちました」
なんてお涙頂戴的に言うこともあり、急に冷めちゃうこともあるのですが、
監督が言えばOKだよな~と、改めて原監督のすごさを感じております。
その3,「負けたらこの後どうなっちゃうの」と不安になるのよ…(東洋大/酒井監督)
始めにいっておきますが、酒井監督のことは好きですし、東洋も応援しています。
特に今年は久々に上位入賞ですし、
何より!
あの山の神、柏原くんを押し上げ、若い子たちにも駅伝の楽しさを伝えた功績は素晴らしい!
そして、酒井監督はこのようにイケメン♥
ちょっと前までは「選手と見分けがつかない」と言われていたほど。
47歳なんて信じられないわあ~。
でも…個人的に、どの監督よりも恐いんです。
たぶんすごく真面目な方なんだと思うのですが、あまり笑顔を見たことなくて、
どんな声かけしているのか、イマイチ聞き取れない。
だからこそ、めちゃんこ恐い!
「俺、失速したら、もう合宿所に戻れないのでは?」と身の危険を感じるような。
※本当にこれは個人的な感想です。酒井監督のコトは大好きです!!
何を話しているか、聞き取れないのになぜ恐いか。
そして、ライターがなにをほざいているのか。
それは「雰囲気」です。
私も寺子屋でよくやるのですが、文字というのは感情が読み取れないので、
ものすごく気をつける必要がある、ということを時折話し、練習問題をすることもあります。
感情が読み取れない分、絶対に誤解のないようにしないと、トラブルや炎上を招くからです。
その点、声かけは
「お前ならできる」という一文に対しても、それぞれの感情の乗せ方がある。
今回、「男だろ」大八木総監督がいらっしゃらなくなり、ちゃんと声かけしている藤田監督に、
なぜか物足りなさを感じたのはこんなところ。
内容はわかるのだけれど、平坦な話し方なので、なんか伝わってこなかったのです。
もちろん、選手たちは入学してから寝食をともにしていて、悩みも苦しみも知ってくれている監督ですから、
言葉も響くんだろうと思いますが、なんだか見ている側としては…。
言葉は内容も大切だけれど、文章として認識しない場合は、
感情、勢い、速度、抑揚などで、いかようにもなるのだなと思ったお正月でした。
ということで、今年も、言葉の大切さについて気づいたことを書いていきます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
なお、お写真はすべてスポーツ報知様のものを使わせてもらいました。
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