今日はファン化について。
ファン化については偉い人もたっくさん書いていると思いますが、私は自分がライブバカなのであえて音楽業界での「ファン化」について書いてみます。
これずーっと書きたかったので、前置きなしで行きます。
①「あの稲葉さんと松本さんがこの私に!」
と、定期的に感動をくれるB’zの例
まずは写真をご覧ください。
一目瞭然。
B’zの稲葉さんからの合格おめでとうはがきです。
これは2019年の出来事で、当時Twitterでもバズり、B’zの熱狂的ファンの先輩もFacebookで紹介されてました。
何でもファンの女の子が長年B’zのファンで、それが高じて稲葉さんの出身校である横浜国立大学を目指して勉強、見事合格を果たしたとファンレターに書いた際、稲葉さんから送られたそう。
私…書いていて今鳥肌が立っています。
想像するにかたいです。
この女の子は、一生このハガキを大事にし、頑張って勉強してきた自分を誇りに思い、B’zを応援してきたことを誇りに思うでしょう。
そして、今後もくじけそうな時や悩んだ時、このことを思い出して強く強く生きていくと思います。
私はB’zファンではないけれど、「稲葉さんってやっぱりすごいな」って思ったし、B’zの話になった時にはファンでもないのに「稲葉さんってやっぱスゴイよね」って、この話をついしてしまいます。
もちろん稲葉さんご自身が素晴らしい人だからであって、この結果を目論んだわけではないと思うのですが、「自分を応援してくれた人」への感謝の気持ちが表われているし、ファンも「私たちのことちゃんと見てくれてるんだ」ってすごく元気づけられ、ファン冥利に尽きると思います。
「あなたの好きな稲葉さん、合格したファンにおめでとうハガキ出したんだよね~」なんて言われたら鼻高々。
B’zが大物すぎる大物である、ということも「あのB’zがあああああああーーーー」となりますよね。
さらに、件の先輩に聞いたところによると、B’zは35周年を迎えるにあたり、なんと! このデジタルの時代に、DMでライブの案内を送っており、さらに驚くことに、ファンクラブの現在の会員はもちろん、休会中や、一度だけ無料会員登録した人一人一人に送っているというのです。
こんなことされたら…嬉しい。
そして…人に話さずにはいられない。
案の定、Twitterには「久しぶりだけどDM来たから行ってみようかな」というツイートが並んだそうです。
音楽業界だって人気商売だし、お金が動くわけですから、どんな大物だって、集客の方法は偉い人が考えていると思います。
B’zの場合は元手も多いですから、こういうことができるのかもしれません。
でも…「一度でも応援してくれた人のことを大事にしたい」という気持ちがないとなかなかできない。
「松本さんや稲葉さんならやるだろう」とスタッフさんも思わなければ、やっぱりやらない。
こういうところがB’zの愛される理由なんだなと思います。
②動線とコミュニティ作りに脱帽。
忘れらんねえよ柴田さんがファン一人ひとりに愛を歌う
2組目は私が現在推しているバンド、「忘れらんねえよ」のケース。
バンドといってもメンバーが脱退したので現状は一人です(笑)。
T.M.Revolution的な感じだとお考えください。
もともとは私が尊敬している中田裕二さんという天才シンガーソングライターと同郷(熊本)ということで、熊本のイベントで一緒に。
そして、同い年ということから仲良くなり、中田さんがご自身のラジオで流した音楽を聴いて「ライブ行ってみよう!」となり、現在私の推しの一人として君臨しております。
この柴田さん、めちゃんこ面白い方で、この夏に「ロッキン」ならぬ「ボッチン」というオンラインイベントを開催しました。
音楽好きな方ならご存知だと思うのですが、「ロッキン」というのは、ロッキンオンジャパンが毎年夏に開催する、一大フェス。
そのフェスに柴田さんはずーっと出ていたのですが、今年呼ばれなかったそうで、「一人でやってやる」的なことで「ボッチン」を開催しました。
その時のタイムテーブルがコチラ。
フェスに行ったことがある方ならご存知ですが、フェスって音楽性や集客によってステージが分れるんですね。
ステージはフェスごとに名前が付くのですが、それもちゃんと踏襲していて面白い。
内容を見ていただくとわかるように、ミュージシャンゆえ弾き語りコーナーもあるのですが、「ヨガ」やら「料理」やらひたすらやるのをただただ視聴者は見守るだけ。
フェスと同様、転換(通常は機材を入れ替えること)もあり、
その間に見ている人たち同士でやりとりが始まったり。
中でも「のりたま」を分けるというのは本当に面白く、ひたすら彼が仕分けているのを見ているだけなので、
そのうちファン同士でチャット会話が始まり、川柳を詠んだりしていました(笑)
DMタイムではものすごい数のメッセージにレスを返していて、たぶん作業になっているとは思っていても、すごく嬉しかったです。
ボッチンは5日間、トータル50時間開催されました。
当初正直「これを開催するなんて大丈夫?この人アホなのかしら」と愛情を込めて見ていたのですが、とにかくめちゃくちゃ楽しくて。
ミュージシャンと同じ時間をライブ以外で過ごし、
毎日出ている人の恋愛相談に乗ったり、なんとなく知り合いになったことでTwitterではコミュニティもできました。
今、一人の女の子が毎週仲間を集めておしゃべり会しています。
柴田さんご自身も「わけわからないけど、5日やったら何かが見えると思って」とずっとおっしゃってましたが、ずっと参加してきた私も、「ボッチン」の前と後では、何かが違った感覚がありました。
リアルに話したり、料理したり、50時間もやっていれば、どうやってたって素のその人が見える。
それに対して、「ああ一般人の私と同じだな」と思ったり「歌っている時はやっぱりかっこいいな」と思ったりする。
そして、誰かと初めて話したり食事したりする時のように、普段の様子を見て「こういうところ好きだな」と思ったりする。
柴田さんは非常に高学歴なこともあり、「何をやっても怒らない。やっぱり賢い人は穏やかだな」と感じました。
その後。
ボッチンの中では新曲も披露されたのですが、それが「アイラブ言う」という曲。
そして、柴田さんはなんとTwitterで、「あなたが好きだと言うのさ」という歌詞のあなたを、好きな名前に変えて歌います企画をやったんです。
「1000人やるから」と言っていた希望者はしばらくすると埋まり、私も迷っているうちに埋まってしまいました。
こんな感じ。
1030人目
あすかへ、推しメン!!!!#MV公開中https://t.co/NMKldCUtW4 https://t.co/oNX1Izc8ph pic.twitter.com/SfQUfcJ6Ey— 忘れらんねえよ柴田と公式 (@wasureranneyo) September 21, 2022
その後、リアルイベントも行われ、前述した恋愛相談の彼は、柴田さんから「おお、こないだどうだった~」と声をかけてもらったようで、いたく感激していました。
1000人終わったのち、「もう少しできるよー」ということで、追加募集が。
今回はためらいなく応募し、先日見事に歌ってもらいました。
でも、不思議なもので…名前を呼んでもらうだけで、ぐっと距離が近くなる(ように感じる)。
急にドキドキしてきて、なんか意識してしまう。
まぁ、私のもともとの気質もあるのでしょうが、何かしら「距離が縮まった」と感じた人は多いかも。
となると、言い方悪いけど損して得取れ。よき企画だったと思います。
その後、ライブやイベントのお知らせも続々出てきて、ボッチンで友達になった人たちと「会えるかな~」と話してみたり。
多分推し活ってみんなそうだと思うのですが、会社でも友達でも仕事でもない「唯一無二の居場所」「聖域」かできる。
アーティストが動くことで、その枠が勝手に巨大化していくって、すごいと思うんですよ。
これは強固なファン化になります。
また、自分のことをどれだけの人が知ってくれてるかというのも、数字として表われますよね。
私もこの動画はずっと大事にすると思うし、それを1,000人以上の人が同じように思っている。
動員にも必ず繋がると思います。
前述のように柴田さんは賢く、地元で一番の高校を出て早稲田に進み、その後広告代理店に勤めたという話なので、戦略的にやっていた部分もあったと思います。
でもやはり行動したのは素晴らしい。
ファンを集め、動線を予測して、しっかりと行動する。これは見習いたいです。
③「これは何?」という疑問から行動させ
バズらせるSuchmosのケース
①と②をあまりにも暑苦しく語ってしまったので、最後は軽く。
現在、残念ながら活動休止中のSuchmos。
HONDAのVESELのCMはあまりにも衝撃的でした。
あれ以降、あの枠は、「これから必ず来る」という枠になりましたね。
恐らく、彼らにはかなり優秀なプロデューサーがついていたと思います。
私が印象に残っているのは、このイベント。
リンクが貼っていないですが、youtubeでこの動画を見ると、スマホの番号が映り、その番号が書いてあるパーカーを着たスタッフがうろうろする映像が流れます。
これ、電話、架けちゃいますよね?
しかも架ける度にメッセージが違っている。
Twitterで流れるたびに「え、今かけたらどうなるの?」ってついつい気になって、毎日架けた人もいるのでは?
「人々が忘れないうちに次のメッセージを流す」という飽きないやり方はお見事。
まあ、彼らは売れに売れ、紅白にも出場したのですが…
個人的には同じ日に初出場したofficial髭dandismがかなり健康的なイメージだったので、お茶の間でつい差別化して見てしまったのと、その後東京藝大卒のメンバーで構成された、King Gnuが上位変換として出てきてしまったのが、明暗を分けてしまったのかと考えております。
以上、今回は私の大好きな音楽業界で見てきた、ファン化や動線についてお伝えしました。
ほぼ趣味の域でしたが…好きなことなのでお伝えしたいことが多すぎ、つい長くなりました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。