最近、テレビで「おばさん構文」なるものが特集され、
Twitterでかなり話題となっていたそう。
ということでライターとしては黙ってられないので、
どんなものがそれに当たるか、なぜそういう構文が生まれたのか、
さらには、便利になったことで、世の中に与えられた影響を考えてみました。
1.おばさん構文はとにかくキュート!
絵文字は3つ連続・全力で愛情表現
まずおばさん構文の条件としては、こちらの模様。
思い当たる人、いますよね。
はい、私も思い当たります(苦笑)。
特に「-」ではなく「~」を使う件については、
文章講座で「にょろにょろを使うと少しきつさが和らぐ」
と教えていました。
Z世代には通用しないかも。テキスト書き直さなきゃ(笑)←これもたぶんおばさん構文。
具体的にはLINEのでのやりとりになると思うのですが、
見え方はこんな感じ。
むむ、こういうの見覚えありますよね。
私は母(75歳)からのLINEがこんな感じ。
私はここまで絵文字を多用せず、長さも半分。
でも中1の娘からは「お母さんのLINEは文章が長い」と言われます。
Facebook経由でこの投稿をしたところ、数々のご意見が!
まとめると
・こういうLINE送ってる!
・そういえば私も子どもに文章長いって言われる…
・おばさんだから、おばさん構文でも気にしない
・おばさんって見えないために注意しなきゃ
だいたいご意見はこの4つに分かれました。
2.Z世代のLINEはとにかく短い。即レス。
ではZ世代はどうなんでしょうか?
こんな感じだそう。
短っ!!
でもこれが現実。
中1の娘のスマホを見せてもらったら、
どのお友達とも、こんな感じでした。
2行に渡っているものも、ほとんどない。
娘に長いと言われたので、ではどうすればいいのかときいたところ、
「今から買い物にいく。欲しいものありますか」
ではなく
「今から買い物に行く」
「ふーん」
「欲しいものありますか」
「お菓子」
と、一個一個返すのが一般的だそうです。
2でコメントくれたお友達の中には、
「ご飯食べた?」に対して
「た」
という返事があったとか。
どれだけ短いの~~
3.個人的検証。メール時代を経てきた私たち
私たちも昔は親世代に「なんでも略す!」「何を指すのかわからん!」
とよく叱られました。
と言われて、すぐに思い付いたのは全然世代でもない「チョベリバ」でしたがw、
よくよく思い返すと「ザ・ベストテン」を「ベッテン」って言っていた子がいた気もします。
でも、それは会話の上での出来事。
それで思い付きました。
私たちは「メール」というツールを経ていることを。
メールは便利でした。
もっともっと昔は、遠くの人と会話をするのは手紙。
電話代がかかるし、思いを伝えるのは手紙しかありませんでした。
でもメールは料金も安ければ、瞬時に伝わる!
友達と、長文をやりとりしたことで、なんだか価値観が通じ合った気持ちになったことも。
でもZ世代は「メール」というツールを経ていません。
しかも、相手と電話をするという習慣もなく、
もちろん「誰が出るかわからない家に電話をして友達を呼び出してもらう」
なんてことはほぼゼロ。
うちの娘にいたっては、自分の家の電話番号も言えないばかりか、
公衆電話の使い方も、わざわざ教えたほどです。
と、習慣がまるっきり違うので、当然感覚も違う。
つまり私たちにとっては「メールの先にある、既読がつく便利なもの」
彼女たちにとっては「会話のひとつ」。
既読がつくつかないなんて関係なく、
繋がっていれば会話になる。だから文章も短い、というよりもはや言葉。
という図式になるのではないか? と考察しました。
4.一気にたくさん情報を得ることで、
私たちの生活は便利になっただろうか?
私は最近「三四郎」を読んでいます。
もちろん明治の文豪、夏目漱石先生の作品です。
こちらを読んでいると、今よりもずっと不便なはずなのに、
そして、若者特有の悩みは同じように持っているはずなのに、
毎日時間がゆっくり流れていて、
その日その日を丁寧に生きている、という印象を持ちます。
その時から比べると、鉄道も郵便もスピードアップしたのはもちろん、
どの家にも電話があるのはおろか、1人一台の時代になり、
さらには瞬時にして世界中の出来事がわかる、という時代が来るとは、
まさに、キューブリックが描く世界レベルだったと思います。
「物事を早く完了することができる」という目的で、
便利なものは発明されて、浸透していったのだと思います。
でもその分、私たちはのんびりと暮らせるようになったでしょうか?
日々新しいことがアップデートされるたびに「ついていかなきゃ」と思い、
「これに乗り遅れたら恥ずかしい」と急ぐのと同様、
おばさん構文に対しても「ああ…私ももうおばさんだわ」と落ち込んでしまうのではないでしょうか。
確かに老害と言われるのは嫌ですが、
新しいものもそれなりに取り入れつつ、
自分が育った時代の文化は、その世代の人たちとなつかしみつつ、
「ああ、幸せな時代を過ごしたな」と年を重ねたいと思っています。
おまけ:おじさん構文
おまけとしておじさん構文。
これは絵文字が満載で「若作りしています」感が出ている気がするのは、
私が女だからだろうか。
個人的には、急なカタカナ(しかも半角)というのが、すごくおじさんぽい。
媚びている感じがしてしまうのだが…どうだろう。
差別しているつもりはないのだが、なんだか気持ち悪さを瞬時に感じてしまいます。
本当に生理的に無理ってなったので、太字にしてごめんなさい。
●お気軽にフォローください!
https://www.facebook.com/writer.yukamasuda
●初回 30分無料相談は随時受付中です
●正しい文章より、あなたらしい文章。
月2回、言葉について考える「文章寺子屋」塾生募集中
●ご相談はお気軽にこちらへ。