プロフィールライターの増田有香です。
朝ドラ、見ていらっしゃいますか?
私は吉川晃司さんの大ファンなので、それを見たくて初回から見ています。
今日は朝ドラに見る「人柄が出る文章や言葉遣い」について。
「個人の感想です」と付け加えたいのですが、
普段から、皆さんも少し感じることもあるのではないでしょうか。
①「この人はこういう言い方はしない」
言動が人柄を表わし、破綻すればキャラも崩壊
前回の「ちむどんどん」はどうやら内容が破綻していたらしく、
Twitterでも「#ちむどんどん反省会」タグが付くほど。
続く今回の「舞いあがれ!」も心配されていましたが、
予想以上によく、毎朝泣いているという話が出ていました。
舞台は大阪、そしてパイロットを目指す女の子の話。
病弱で人に気を遣いすぎ学校を休みがちな少女が、五島列島で心身ともに健康になり、
空を飛ぶばらもん凧(五島の凧)や飛行機を見て夢を抱き、
大学時代には「なにわバード」にて飛行コンテスト(鳥人間コンテスト的な)
に出て、その後パイロットへの道を目指す、というのが初回の1ヶ月。
これは本当に内容も演出もよかった。
しかし私の目当の吉川様が、教官をやる航空学校のシーンになった瞬間
「あれ?私何日か見逃した?」と思うほど世界観が変わっていました。
どうやら、何かの都合で脚本家と演出の人が変わったそうです。
繊細で頑張り屋で優等生の主人公は、
人の気持ちにずかずかと入りこみ、急に劣等生になり、
夜中に男子学生の部屋を訪れることもある「不思議ちゃん」に激変。
Twitterも荒れまくり、以前同様反省会のタグがRTに並びました。
ようやく今週から元のスタッフさんに戻り、ドラマは安定しています。
と、今日はドラマのことを書きたいのではなく、
「この人はこういう行動をするはず」
「この人はこういうことは言わないはず」
という印象は、とてもとても大事だということを伝えたいのです。
文章、言葉の選び方ひとつで、
伝わる印象、人柄はがらっと変わってしまいます。
①「お」を付ければいいとは言わないが、
丁寧に伝えることは大切
以前、ひょんなことであるサイトにたどり着きました。
いわゆる個人事業主で、専門技術を持つ仕事をされている女性。
私はその方に会ったことがないのですが、
横の繋がりで、何となく存じてはいました。
でもそのサイトにこう書いてあったんです。
「金より信頼が大事」
これは真実だと思います。
でも…私は「金」という言葉遣いにひっかかりました。
とても丁寧で仕事のできそうな女性と感じていましたが、
なぜ「お金」と言わず、「金」と書いてしまったのでしょうか。
もちろん私も「世の中金だよね~」とふざけて使うこともありますが、
普段から「お金」を「金」と呼ぶ人には雑な印象を受けます。女性なら尚更。
「お金より信用が大事」
さらに
「お金より信用を大切にしています」
と、ほんのちょっと変えるだけで、印象はかなり丁寧に映ります。
もし刑事ドラマの取調室なら(笑)
「お前が隠した金はどこへやった!」が正解。
「お前が隠したお金はどこへやった!」と言う刑事は、
お茶目を通り越して緊張感がない。
また、ホームドラマのシーンで、
「ほら、勉強はどうしたの」と言えば何となく普通のお母さんが浮かびますが、
「ほら、お勉強はどうしたの」と言えば、あら?教育熱心なお母さんかなと思う。
とはいえ、逆に何でも丁寧にするのも、それはそれでおかしい。
「あなた、ビールいかがですか」が、
「あなた、おビールいかがですか」になると、なんだかお店の香り。
要はバランスだと思うのですが、「お」ひとつでもこれだけ印象が変わるということですね。
③一人称をどうするか。
特に男性は印象が左右される
Twitterはのぞき、Facebookや通常のブログでは、
ビジネス発信もプライベートの発信も混在しています。
そんな時の一人称はどうしているでしょうか?
女性なら「私」が一般的かと思います。
たまに…「あたし」と書く人がいますが、これが許されるのはaikoだけ(笑)。
では、男性はどうでしょうか?
僕、俺、私、いろいろあります。
一般的には「僕」になるでしょうか。
まあ、少しくだけた話し方をする場合に「俺」と言うこともあるでしょうが、
もともとの年齢にも左右されるでしょう。
例えば10代の男の子が、
「俺」と言えば、まあ若さの象徴だと思うし、
「僕」と言えば、ちょっとかわいいなと思うし、
「私」と言えば、あらお育ちがいいのね、と感じる。
これ、もし逆だったらどうでしょうか。
60代のオジサマには、どの一人称が相応しいでしょう。
やっぱり「私」が相応しいと思いますし、
「僕」と言う方は、10代の方から一周まわってカワイイかな。
20代、30代で「僕」というと、ちょっと子どもっぽい感じがしますし。
一般人ではないので何とも言えませんが、以前中村雅俊さんのライブに行った時、
雅俊さんの一人称が「俺」ということに気づいたんです。
雅俊さんは「俺たちの~」シリーズの主演をされていたので、
そういう意味で、このチョイスになったということもあるのでしょうが、
私は「なんか、雅俊さんいつまでも青春でいいな~」と感じました。
そもそも好意的に見ているから、そう思うのかもしれません。
と、選ぶ一人称でも印象はこんなに違ってきます。
④自分の奥さんや旦那さんをどう呼ぶ?
パートナー? 相方?
では、ご自身の配偶者やパートナーについてはどうでしょうか。
ここでは配偶者ということで設定させていただきますが、
女性の場合、
「うちの夫」
「うちの主人」
「うちの旦那」
「うちのパパ」
「うちの人」
いろいろあるでしょう。男の人なら「妻」「奥さん」「ワイフ」とかもあるのかな?
一般的に日本語では「夫」「妻」です。
あとは好みになると思うのですが、「主人」というのは主という意味であり、
一家の大黒柱という意味で「主」ではあるのですが、
奥さんが「主ではなく副」という意味合いが含まれているようで、
私は好んで使いません。
(本当に細かくてスミマセン)
昭和の時代は、女性が完全に従う感じだったので、
昔のドラマとかで見ると「仕方なかったのかな」と思います。
でも、もう今平成を通り越して令和ですしね。
そういうところも上下なく並びたいなあと。
「旦那」というのも間違いではないと思います。
うちの辞書には「配偶者・主人」と書いてあります。
ところが、二号さん的な意味も含まれていないとは言えず、
うーん、あまり使わない方がいいのかな、と思っています。
でも、「旦那」という言葉、皇族の方は使うでしょうか?
まあ、雅子妃はずっと「陛下」と呼ばれているので想像しづらいですが、
民間人になられた、例えば紀宮様だったら「旦那」とは言わない気がします。
これは私の想像の域ですが…。
もし、すごく育ちの良さそうな人がいて、その人が家庭の話をした時、
「うちの夫が」とか「うちの主人が」ではなく、
「うちの旦那がね~」と言ったら、どう感じるでしょうか?
その人とのこれまでの関係性もあるので、断言はできませんが、
「意外と庶民的なんだな」と思うかもしれませんし、
「本当に家柄がいいわけではないのかな?」と思うかもしれません。
そう思うと、パートナーというのはかなり広義であり、
しかも便利な言葉かもしれませんね。
同様に「相方」というのも流行っていますが、私は以前から違和感があり、
改めて調べたら
「一緒に物事をする人。特に、コンビ漫才などでのパートナー。相手。相棒。客から見て相手の遊女」
とありました。やっぱりあまり使わない方がいいみたいです。
最初に書いたように、これは私の感覚であり、
チョイスは人によります。
「うちの旦那」を選んだ時も、
おしとやかにしている女性ならビックリするけれど、
姉御肌の人なら、あまり何とも感じません。
ただ、SNSでは話したことがない方にも、自分の情報が届くので、
できる限り、信用できたり「丁寧に仕事をしてくれそう」
という印象を持ってもらった方がいいですよね。
というわけで、今日は、普段何気なく使っている言葉の中から、
その人の人柄が見えちゃうということを、ざっくりお伝えしました。
こういう観点でSNSを見ていると「ああ、荒れちゃったのここのポイントか」
なんていうのがわかってくるかもしれません。