今日は屋号について。
まだ起業前の方や「屋号を付けようかな」と思っている方のために、
これまで2000件の取材をしてきたライターが、気づいたことを書きます。
1.何を売っているのか伝えよう!
まずは「何を売る店からわかるか」という大変基本的なこと。
例えば「スーパー●●」とか「●●そば屋」だったら一目瞭然。
モノではなくサービスを売る場合でも「●●法律事務所」「●●クリニック」ときけば、
「何を解決してくれるか」というのがわかりますよね。
とはいえ、サロンさんやセラピストさん、スピリチュアル系の方は「何をしているか」がわかりづらい。
そういう場合は「40代の身体の悩みを解決する」とか「人からの評価を気にしすぎて疲れる」などといった、補助的なことを付け加えると伝わりやすくなります。
2.長すぎると伝わらない危険性あり
私は形のないものを売っているので、屋号を決めるときに「何かを売る~~屋」ということをベースに
「綴屋」と名付けました。
そして仕事はライター。
ニッチな業種として絞っていくなら、「プロフィール」を扱うので「プロフィールライター」と書きたいところですが、長くなってしまう。
もしそこに、カタカナでイメージ先行の屋号を付けて自己紹介をしたらどうなるでしょうか?
「プロフィールライター、ジャパンライティングクリエイツの増田有香です」
長い!!!
これでは「なんか知らんが長い名前の会社」というイメージしか残りません。
私の場合、確定申告などで提出する職業名は「著述業」なのですが、
一般的にわかりやすい「ライターとしていますが、
ライターにカタカナの屋号を組み合わせると目がすべってしまうので、漢字にしています。
メールの宛先を書く時にも、これは親切かな~と思います。
3.読みづらい・造語は避けた方がベター
私が屋号を考えた時にも思ったのですが、「読みづらい」というのはとても不親切だと思います。
屋号はその方の思いが詰まった、大変貴重なものだと思いますが、長かったり読みづらかったりすると、
覚えてもらえません。
これは、私が取材をたくさんしてきた中で感じたことなんですが、美味しい店ってこだわりが少ないんです。
なんというか、「気軽に食べてね、味わってね」という雰囲気が出る。
でも、長々と語るお店や、名前に込められた思いが強すぎると、
文字通り「おもい」が「重い」に変わってしまうんでしょうね。
また、当て字を使うお店も多いのですが、個人的には「気軽に行けないなあ」と感じたりします。
余談になりますが、これは「キラキラネーム」と呼ばれる、
最近の子どもの名付けにも通じるかもしれません。
私は鑑定学を長く学んでいたのですが(教えることはできませんが)、師匠はいつも
「画数ではない。まずは日本人として、漢字を見て意味がわかること」
とおっしゃっていました。
「徒然草」の吉田兼好も、
「人の名も、目なれぬ文字を付かんとする、益なき事なり。
何事も、めづらしき事を求め、異説を好むは、浅才(せんざい)の人の必ずある事なりとぞ(一部抜粋)」
と語っておられます。
「名前も見慣れない漢字を使うといいことなんてない。
なんでも珍しいものを求めるのは、浅はかな人間がやることである」
みたいな感じでしょうか?
シンプルにわかりやすく。
それは昔から言われていたことなんでしょうね。
まとめ
屋号は、
・何を売っているのかわかるような
・長すぎず
・当て字や造語を避けた
シンプルで、覚えやすい名前にするのがオススメです。
もし今後、屋号を考えることがある方は、参考にしてください。
今日はちょっと軽いお話になりましたが、何事もシンプルにわかりやすく!
それは「自分の思いより、お客様を大事にする」にも通じているような気がします。